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TOP > V予備校 日記 > 2014年度北辰テスト(3年)
北辰テストとは、埼玉県で行われている外部業者テストのことです。
このテスト、私立高校の受験に大変重要なもので、公立高校の受験には県内のほとんどの中三生が受験するため、大変参考になるものです。
そんな北辰テストが、今、どういう意図かは図りかねますが、変化しようとしています。
まず、1教科40点満点であったのが100点満点に変更。
これは、埼玉県公立高校の入試制度の変更に伴ってのものです。
そして、価格の変更。最近の模試、価格がかなり高額になっています。
頻繁に回数があるのなら(北辰は最大年八回)、4000円以下にしてほしいものです。
これは消費税率や個人情報の取り扱いによる措置と聞きましたが、ここ10年で500円以上の値上げは、どうなのかしらと首を傾げてしまいます。
更に、現在直面しているのは、難易度の大幅な変更。
これも埼玉県公立入試に近い問題を出す、とのことで、埼玉県公立高校入試の水準にすることで高校受験のより「わかりやすい」目安にすることが目的であると。
この難易度の変更は、よく言えば、難関公立高校、特に浦和、大宮、川越、浦和一女などの高校を受験する受験生にとっては大変ありがたいものです。実践さながらの問題を模試として練習できるのは、受験生にとっては概ね喜ばしいものでしょう。
しかし、この難易度変更、ぶっちゃけ難化がもたらすものを少し予測してみましょう。
まず、5教科の平均点、3年4回が198.6点、3年5回が209点です。
耳を疑うような低水準ですが、要は各教科平均点が50点を超えていない。
一部超えているものもありますが、3年4回では平均点20点台の教科もありました。
このことからいえることは・・・
・1教科30点台で偏差値50が出てしまうこと。
・1教科50点台で偏差値60が出てしまうこと。
・5教科280点台で偏差値60が出てしまうこと。
この三点がわかります。
そして偏差値50~60までの生徒で大変起こりやすいことは、成績が安定しないということ。つまり、難易度高水準化の結果、大体5~10の偏差値変動が起こる(通年2~3)ということです。
この偏差値変動は容易に「公立離れ」を引き起こします。
それも、人気高、難関校をのぞいた普通の高校であればあるほど、特に特徴のない偏差値50~60の高校の倍率がどのようになるのか、想像できます。
何故、「公立離れ」が引き起こされるのか?
それは、埼玉県特有の私立高校の受験方式にありますが、事前面談で行われる、「北辰テストの上位二回を入試の参考にする」というものです。極論を言えば、偏差値60の私立高校に受験するためには、2回偏差値60を取らなければならない。逆を言えば、その2回以外はどんなに低い偏差値をとっても構わないというものです。
それで、ついでに偏差値や進学にあまり詳しくない保護者の方は何処を見て判断するでしょう?
普通に考えたら、「点数」です。
そうすると「うちの子は成績はいいのだけれど、本番に強くない」と勘繰りますよね。
成績が安定しないお子さんを見て、進学率を比べたときに、公立高校受験という選択をせずに、私立高校の単願受験を選択するという保護者の方も少なくないと考えます。
巻き込まれて、公立高校の数が少なくなるということも数年単位で起こるかもしれません。
更に厳しい状況に追い込まれるのは、人のいなくなった公立高校よりも、それを受け入れた私立高校にあると思われます。なぜなら、北辰テストで「50点前後」生徒を「偏差値60とみなさなければならない」のですから。
だから、引き起こされるのは以下の三点
・公立高校の倍率激低下(50後半~60前半の高校)
・それに伴う私立高校の進学の質の低下
・それでも変わらない、埼玉県上位高の大学進学率(高いとは言ってない)。
以上、近年の北辰テストが引き起こしそうな「最悪のシナリオ」でした。
せめて、「普通のお子さんが」「できたと手ごたえの持てる」模擬試験を作ってほしいですね。
それでは、また。